FSG×KOPの復活劇 ~フェンウェイスポーツが求める価値の最大化1~
■FSGって何?
■FSGが入ってレッズはどうなったの?
■3つの劇的な復活とは?
フェンウェイスポーツグループ。
レッズの所有権利者であり、
メジャーリーグのボストン・レッドソックスやモータースポーツのラウシュ・フェンウェイレーシング、スポーツネットワークのNESN、
そしてそれらのセールス・コンサルタントのフェンウェイスポーツマネジメントの5つを束ねる米国スポーツ投資会社です。
レッズは2010年に買収されたことによってグループの傘下に入りました。
オーナーは稀代の投資家、「ジョン・ヘンリー」。
会長はアメリカのABC-TVのエリート「トム・ワーナー」。
社長はマネー・マネジメントの天才「マイク・ゴードン」。
この3人が率いたことによってレッズは劇的な復活を遂げます。
劇的な復活とは主に下記の3つになります。
●クラブの戦力
●クラブの財政
●サポーターの信頼
・・・正直、前オーナーのジョージ・ジレットとトム・ヒックス両名の時代にはクラブ運営において良い話を全く聞きませんでした。
08-09シーズンは好調だったピッチ内とは裏腹にピッチ外は「運営が行き詰まっている」「あの2人のアメリカ人はレッズのことを何も分かっていない」など、現地の人からも良い評判を聞いたことがありませんでした。
蓋を開けてみればクラブ売却時の負債は日本円で約335億円。
しかも、負債返済について裁判沙汰が行われるという始末。
プレーヤーもクラブの運営に対し不安を募らせていたかもしれませんね・・・
そこで現れたのがFSGになります。
しかしながら、FSGが掲げる運営は「データに基づいた運営」。
外部からの情報は集められてもそれをレッズに当てはめて運用するには時間が無さ過ぎました。
彼らはサッカーでの運営が初めてだったのです。
結果的にはクラブの救世主となるFSGも、当時はかなり苦戦しました。
クラブの低迷や優秀な監督の招集失敗が相まってスター選手の放出が相次ぐ事態。
なのに、クラブが連れてくる新戦力のほとんどが戦力にならない。
・・・いわゆる補強失敗が相次ぎます。
10年~13年までのレッズはFSGをもってしても地獄の様な状態でした。
あの時、スアレスがいなかったと思うとゾッとします笑
・・・ちなみにクラブのレジェンドであるダルグリッシュが監督を務めていた時にカップ戦のトロフィーの獲得という功績を残しています。
しかし当時の戦術はとてもお粗末なモノで、他のビッグ6(当時はまだレッズ、マンU、アーセナル、チェルシーのビッグ4だった気も・・・)相手に勝てる気配もなく、私の記憶の限りだと単調なクロスと数の強みを活かした中央突破だけというイメージでした。
素人目から見てもあの頃のレッズは面白くない戦い方をしていました。
そのダルグリッシュの後釜があのバルセロナの様なパスサッカーをしていたスウォンジーの監督「ブレンダン・ロジャーズ」だった時は興奮しました。
さらに、FSGは補強に関して、どんどんと精度を上げていきます。
その後はスタリッジやコウチーニョ、コロ・トゥーレにサコの補強やユースからスターリングの台頭。
あの「SAS」が大暴れする13-14シーズンでPL2位まで復活しました。
・・・実はこのタイミングでFSGが試行錯誤した人員整理がやっと実を結び、レッズの売上げは約7年ぶりの黒字で終えることができました。
いかなる会社と言えども赤字状態では前に進めません。
ここからFSGの攻勢が始まります。
まずは稀代のモチベーターであり、現代におけるゲーゲンプレスの代名詞、「ユルゲン・クロップ」を招集。
さらにSDのエドワーズとタッグを組み、ブランドだけではない戦術・データに基づいた移籍を推進。
ここら辺はワイナルドゥムやロバートソンなど「まさか!?」という様な補強でその方針が垣間見えていますよね笑
※ロジャーズはこの方針に納得がいかず、対立を生んでいた模様。
しかしながら、ここ最近の補強において昔の様な「ハズレ」はほとんど無くなり、
実際にPLやCLで好成績を残していることを踏まえると、FSGの方針は成功したといって間違いありません。
ここでレッズは戦力においての復活を果たしたと考えて良いでしょう。