リバプールとRB《後編》
◼️ラングニックメソッド
◼️「プロジェクト・ホッフェンハイム」
◼️そしてRBへ・・・
さて、今回でラストのリバプールとRB。
前編はRBについての説明、中編はゲーゲンプレスとそれを作ったラングニックについて記載しました。
※前編・後編はコチラ
後編はラングニックのメソッドがどの様な形でドイツに影響を与えたかを書きます。
それでは、どうぞ!
ラングニックメソッド
シュツットガルトでグロースと作り上げたプレスサッカーはいよいよ成果を出し始めます。
この戦術を武器にしてラングニックは3部のウルムというクラブに移籍。
そして、2部に昇格させたことと年末のテレビでの戦術解説により「プロフェッサー」の名前が本格的にドイツ中に広まることになります。
ちなみに2部昇格の立役者の1人の中に現パリ・サンジェルマン監督のトーマス・トゥヘルがいます。
彼もまた、ラングニックの弟子だったのです。
そして、彼はついにドイツ1部の監督としてあるクラブに移籍します。
そのクラブは「シュツットガルト」です。
下部組織でその辣腕をふるったラングニックはついにシュツットガルト本体で指揮をすることになりました。
その際にトゥヘルをシュツットガルト下部組織に呼び寄せた様です。
そこで彼は再びラングニックのメソッドをシュツットガルトに落とし込み、
約3年間指揮を取った後にハーノファー、シャルケとクラブを渡り歩きました。
特にシャルケ時代はブンデスリーガ2位になり、CL出場権を獲得。
ゲーゲンプレスの価値の証明をブンデスリーガ中に知らせました。
実はこの時代にリバプールのマティプはラングニックに直接指導を受けています。
元々ボランチだった彼をCBにコンバートさせたのはラングニックによるモノだそうです。
プロジェクト・ホッフェンハイム
シャルケでの監督を終えた後、ラングニックはあるプロジェクトを企画します。
その名前は「プロジェクト・ホッフェンハイム」。
そのプロジェクト内容とは各ジャンルのエキスパートを揃えて、
当時、まだ3部のホッフェンハイムを1流のクラブに、そして「普通のプレーヤー」を世界のトップと五角以上に戦える様に仕上げるというモノです。
そのエキスパートの中には陸上選手のトレーナーやホッケードイツ代表の監督、そしてアドバイサーに「法王」グロースを招へいし、盤石の体勢で臨みました。
※グロースは1部昇格の際に招へいした様です。
そして彼らは2008年にブンデスリーガの前半戦における「王者」となることに成功したのです。
この時点ではゲーゲンプレスはさらなる高みを目指し、
高速の縦パスとペナルティーエリア内での横パスからのシュートという形を徹底し、
驚異的なカウンターサッカーチームとしてブンデスリーガに君臨していました。
ちなみにそのメソッドは今もなおホッフェンハイムの根幹を支えています。
そして、そのホッフェンハイムにフィルミーノがいたのです。
彼はホッフェンハイムを退任後、
プロジェクトの成功を引っさげてシャルケに凱旋することになります。
・・・しかし、彼は度重なる激務と不摂生から燃え尽き症候群に陥り、監督業から手をひくことになります。
そしてRBへ・・・
燃え尽き症候群に陥り、監督業を去ったラングニックでしたが、
心のどこかでまだくすぶっている「何か」があったのでしょう。
今度はあるクラブのプロジェクトチームに参加します。
そのチームは世界に仲間のクラブを作り、人材の育成と戦術の統一化を図り、
サッカー界に革命を起こそうとしていました。
それが「RB」です。
彼はそこのスポーツディレクターとして就任し、共に歩んできた「法王」グロースを招へいして、クラブのゲーゲンプレスの浸透、そして新たな指導者の育成を始めました。
その中にはグアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンに勝ったザルツブルクを指導し、彼からも賞賛の言葉を引き出したロジャー・シュミットもいました。
現在、ラングニックはRBライプツィヒの監督も兼任していますが、
彼の意思はゲーゲンプレスをクラブに植え付けること、プレーヤーに浸透させること、そして新たな指導者を育て上げることに重きをおいている様です。
彼は今もなお、リバプールから見出し、ACミランを研究することによって作り出した「ゲーゲンプレス」を進化させようとしているのでしょう。
いかがだったでしょうか?
実はラングニックが渡り歩いたクラブの中には現リバプールのプレーヤーが所属していたクラブがいくつかあります。
その中でラングニックの思想が浸透したプレーヤーがリバプールで活躍しているのもあながち偶然ではないのかもしれません。
そしてリバプールはRBに所属していたマネを獲得し、ケイタを獲得し、そしてヴェルナーを狙っています。
彼らはラングニックの思想のもと、最新のゲーゲンプレスを身につけたプレーヤーです。
同じゲーゲンプレスを信奉しているクロップの戦術が、彼らにとっては馴染みの深いモノなのです。
彼らにとっては浸透しきっている戦術ですからね。
補強候補にRBがよく出る理由がここにあるのでしょう。
今後もクロップは移籍候補としてRBを、そしてラングニックの息がかかったクラブのプレーヤーを候補に上げることでしょう。
そして彼らはリバプールにとって間違いなく戦力となるプレーヤー達であるに違いありません。
さて、「リバプールとRB」はこれで終了しますが、
次回はラングニックの師弟関係とクラブを簡単にまとめたいと思います。
それでは、また!